2023年12月27日(Wed) 令和5年も終わろうとしております。今年の思い出、印象に残ったものは?
早いもので、令和5年度もあっという間に終わろうとしております。皆さんにとりましては、今年の印象に残った出来事、関心事は何だったでしょうか?
十人十色と言いますが、日本人1億人以上いますので、1億通り個々の印象的な内容、関心事があったことでしょう。私の場合は、2つ挙げるとすればやはり、① 阪神タイガースの優勝、日本一と、② リニア中央新幹線工事の進捗遅延、ということになります。
① 阪神タイガースの優勝・日本一: タイガースの監督、岡田さんは、私が高校生の頃、学校が同じ阪急沿線にあったため、通学途上 偶に電車内でお見受けした記憶があります。既に天才高校球児としてのオーラを車内でも放っていらっしゃったのですが、その彼が自力で一般入試で早稲田に行かれ、その後ドラフト1位で多くの球団との競合の末、タイガースに入団され、新人賞を始めとして、チームを初めての日本一へ導きながら、輝かしい成績を残されたことは、タイガースファンだけではなく、多くの方がご存知のことでしょう。
岡田さんがユニフォームを脱がれて野球解説者をされていた頃、単刀直入でその鋭い大阪弁の話しぶりに聞き惚れ、敢えてラジオによる実況放送での岡田解説を、とても楽しみにしていたものです。その岡田さんが、今年久しぶりに(私としてはやっとの思いでしたが)監督に再就任され、「アレ」を掲げて有言実行よろしく、18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一を遂げられたことは、何と格好が良いのだろう!と感服致しました。特にパリーグ覇者オリックスと最終第7戦までもつれにもつれた日本シリーズでの死闘の末、勝ち取った日本一は、生涯忘れがたい記憶となるでしょう。岡田さん、阪神タイガースの選手の皆さん、有難うございます。
阪神球団の選手は、誰一人、他球団の様なスーパースターは居ませんでしたが、それでも地味に点を取り、相手には点をやらずに勝っていけたのは、岡田監督の采配力の賜物と思います。故野村克也さんが、野球は頭でするもの、とよく仰っていましたが、それを再証明する形となり、(柔よく剛を制す、の精神が好きな)私も、痛快で堪りませんでした。
② リニア(中央新幹線)の頓挫: これも私にとり、大きな関心事でした。新幹線がまだ誕生していなかった幼少時代、夢の超特急(現在の東海道新幹線)の運転手になることを憧れておりましたが、昭和39年に東京・大阪間で新幹線が開通し、心を躍らせていた記憶がございます。新幹線の生みの親、十河信二さんは、私が大尊敬するお一人ですが、よくぞ新幹線を作って下さった、と感謝して止みません。お陰様で、日々、自転車感覚で頻繁に のぞみ号を利用させて頂いております。
その新幹線ですが、60数年前の当時も、今のリニア計画と同じく、大きな建設反対派がございました。「そんなに急いでどうする?」「鉄道での大量輸送の需要はあるのか?」「輸送は車でよいだろう。鉄道はもう死んだ!」「線路幅をわざわざ広げなくとも狭軌道レールのままで時速100キロ程度は出せるのだからそれでよいのではないか」「時速200キロ以上の超高速で走れば車体が飛行機のように浮いてしまい、危険極まりない」などなど。しかしながら、今はどうでしょう? のぞみ号が 時速300キロの速さで、それもわずか3分間隔で引切り無しに、次から次へと大都市間を、しかもすこぶる安全に、毎日走っております。それも16両連結された車両内は、どれもほぼ満席状態です。建設反対派を押し切って半ば強引に新幹線計画を推し進めた十河信二さんも、天国できっと「わが意を得たり」と大声を出されていることでしょう。
その需要ですが、現在、その新幹線、特に東海道新幹線での東京・名古屋・大阪の大都市を速達直結する のぞみ号は、供給限界、飽和状態となってしまいました。私のような一般利用客にもその切羽詰まった状況は肌で感じられます。リニアはそのバイパス的な第二大動脈となり、リスクマネージメント上でも大きな役割を果たすことは明白です。「人口減少時代となり需要はあるのか?」「今の新幹線だけで十分だろう。」「500キロ以上の極超高速で危険ではないか?」「自然・生態系を破壊するだろう」などなど、反対派も多くいらっしゃいますが、どれもこれも 60年前の新幹線建設の時と類似の反対意見であり、とても滑稽に感じるのは私だけではないでしょう。いつの時代も、何か事を為そうとすれば、必ず足を引っ張る反対が出てくるものですね。
そのリニアですが、約60年前から研究と実験が十二分になされ、ようやく実用のための本工事が始まりました。ここでいつものことながら、そのルートと駅が政治的に翻弄されてしまいます。各都道府県内を走るルートにおいて、ただ通過されるだけで駅が無ければ、その自治県は、通常の誘致活動どころではなく、血相を変えて文句を言うでしょう。火を見るより明らかです。それが残念ながら 静岡県です。この為、残念ながらリニアの静岡工区は目途が立たない状況、頓挫してしまいました。川勝平太県知事さんにとりましては、東海道新幹線 のぞみ号が、静岡県下をひたすら通過するだけで停まることなく、これがJR東海さんへの積年の恨みとなっている中で、提案した静岡空港新駅も同社から 即却下されたのですから、ましてリニアのルートは静岡県内は素通りするだけで駅は無いのですから、今後もリニア建設に対して 反対のための反対を、JR東海さんへ続けて行くことでしょう。(県内高速道路、車道トンネルの建設は自然生態系への影響を問題にせず推し進め、また遠州灘のウミガメ産卵地を蹴散らしてまでもドーム球場を建設しょうとしながらも、リニア建設に限ってのみ、自然環境破壊を闇雲に問題視し、反対するという可笑しな知事さんですからね。)
大きな視野に立てば、人口減少時代と言っても 三大都市、東京・名古屋・大阪は、日本列島を支える経済の中心、エンジンであり、人口がむしろ増加・密集していくと思われ、リニアというこれら拠点を繋ぐ第二大動脈は必須であると分かるのですが、地方自治体にとっては、我田引水よろしく、その区域の繁栄だけが関心である、という感覚もあり、今後の工事伸展がとても心配です。私がもし、十河信二さんだったら、どの様に解決するだろう といろいろ考えることがあります。
一つ:今からでも遅くはない。リニアのルートを静岡県を通らず外して、山梨県から少し北へ迂回しながら、直接に長野県へ通す。工期は伸びるが、理不尽な妨害を受けることは無くなる。完成後の所要時間も超高速で走破出来るので、あまり影響はない。ルート変更に掛かる経費増額分は、現東海道新幹線の静岡県下への供給を減らして賄う。
一つ:静岡工区の建設着工前に、喫緊で のぞみ号の半分の列車を、静岡県下に一駅だけでも停車出来るようにする。静岡県で人口は浜松市が最大ですから、浜松駅に何とか停車するようにする。その条件で静岡県に理解と協力を求め、リニアを、静岡県下において(やれ大井川が・・南アルプスが・・等々四の五の言わせず)無条件でさっさと工事を完成させ、通過走らせるようにする。
などなどでしょうか。偉そうな事を申し上げてしまいましたが、皆さんはどう考えますでしょうか?
最後に私のリニアへの夢を語りたいと思います。折角の 世界に誇る超電導式リニアの極超高速列車ですから、東京・名古屋・大阪の間だけではなく、是非頑張って、大阪~福岡までの延伸もお願いしたいと強く願っております。(インフラは遅れているものの)人口急増中で 大きな田舎から大都市的になりつつある福岡が大阪とリニアで繋がれると、その間が僅か1時間以内、大阪・東京間が1時間、福岡・東京間が2時間以内、となりますね。何と素晴らしい未来でしょうか。これで大都市間移動の際は、旅客一人当たりのCO2排出が極度に高く、落ちる心配のある飛行機には誰も乗らなくなることでしょう。JR東海さんとJR西日本さんが仲良く統合して下されば最高です。