2008年11月20日(Thu) 晩秋の候、未来の夢を感じさせる若い米国と先を感じさせない老朽化した日本の差について思う

手術中毒の毎日ですが、気がつけば銀杏の葉があでやかな黄色を呈する時季となっていました。本当に一年は早いですね。「少年老い易く学なり難し」を痛切に感じます。

さて、先日、米国でとても大きな歴史的出来事が起こりました。言うまでもありませんが、新大統領に黒人の若いオバマさんが選出されたことです。長い人種差別の歴史をもつ白人優位社会の米国で、そのトップに初めて黒人が選ばれたのです。とても素晴らしい出来事です。その歴史的瞬間に自分も生きている、ということに感動します。また、さらにオバマさんの実父がエチオピア人の移民である、という事実にも驚かされました。今の日本では絶対に考えられない事象だからです。アメリカ国民の、過去の拘りを捨て自国を何とか善くしていこうとする、「フリーダム」という若いエネルギーを強く感じます。

一方日本ではどうでしょうか。出てくる出てくるトップであるはずの総理大臣は、祖父、親の七光りを浴びた二世・三世の政治家ばかりです。まるで金太郎飴のごとく、切っても切っても変わらない顔ぶればかりです。これでは、明日に向けた、国民のための改革が出来るはずはありません。

新大統領オバマさんと新首相麻生さんの就任の言葉には大きな違いがありました。オバマさんは、「I have a dream・・・」、麻生さんは、「祖父吉田茂が・・・」です。呆れました。日本国民が期待しているのは、今の閉塞感漂う日本をどう立て直していくか、であり、昔の偉大だったかもしれない吉田茂は関係ありません。

麻生首相の失言、失態も、かなり目に余るものがあります。他のお偉い政治家先生達もよく似たものですが、世襲化が続くとここまでレベルが下がってしまうのか、と思うほどです。麻生さん曰く、「医者は社会常識が欠落している・・・」と。呆れます。医者は一生掛けて専門的知識や技術を集積していかねばならない仕事柄、とかく誤解されるところがありますが、日々、身を粉にして患者のために働いている医師に対して随分と失礼なお言葉であると思います。社会常識が本当に欠落しているのは政治家先生なのか、医師なのか、答えは明白でしょう。プライドを持って、プライドに懸けて地道に診療に貢献する医師達にとっては、K・Y君(漢字読めない君)にここまで言われたくはありません。・・・(続く)